CONCERT コンサート情報

いずみ定期演奏会No.41ハイドンマラソン

定期演奏会

いずみ定期演奏会No.41ハイドンマラソン

19:00開演

いずみホール

指揮:飯森 範親/フルート:永江 真由子(日本センチュリー交響楽団首席奏者)

ハイドン
交響曲第23番 ト長調 Hob.I:23

ジョリヴェ
リノスの歌

ハイドン
交響曲 第20番 ハ長調 Hob.I:20

ハイドン
交響曲 第85番 変ロ長調 Hob.I:85「王妃」

●聴きどころ

いずみ定期演奏会No.41ハイドンマラソン
ハイドンマラソンと銘打った首席指揮者・飯森範親とのハイドンの交響曲全曲演奏プロジェクト。2019年シーズンの一回目は、20番台の二つの交響曲と、名作として知られる第85番「王妃」を取り上げます。第20番と第23番は番号だけ見ると近くの作品のように見えますが、作曲年を見ると、一般的には第20番は1758〜1760年、第23番は1764年と言われていて開きがあります。しかし、この第20番は曰く付きで、研究者によって作曲年代に様々な意見があるのです。人によっては、1763年ではないかと提唱する研究者もいます。第20番と第23番は、全く別のパトロンに仕え別の様式で書かれた作品なのか、それともエステルハージ家の楽団のために書いた兄弟作なのか、ぜひ皆さんの耳で確かめていただきたいと思います。 この二曲の間に挟まれていているのが、1905年生まれのフランスの作曲家ジョリヴェの「リノスの歌」です。パリ音楽院の卒業試験曲として1944年に書かれました。リノスとはギリシャ神話に登場する死んだ英雄を悼む歌を奏でる神で、竪琴を教えていたヘラクレスに殺されてしまいます。ジョリヴェは「リノスの歌は、古代文明における挽歌の変形、すなわち葬送の悲歌、叫びと踊りが交錯する哀歌である」(三上明子氏の解説より)と楽譜に書いていて、作品の核心を私たちに伝えています。日本センチュリー交響楽団首席フルート奏者の永江真由子の独奏と作曲者自身の編曲による弦楽伴奏による透明感がありながらも狂気に満ちたアンサンブルでお届けします。
プログラムの最後に置かれたのはハイドンの交響曲第85番「王妃」です。エステルハージ家の宮廷楽長だったハイドンは、パリのオーケストラを持つ演奏会組織コンセール・ド・ラ・ルージェ・オランピックの依頼で6つの交響曲(いわゆるパリ交響曲 )の作曲に取り組みました。第85番はその2作目で「王妃」というタイトルは、フランス国王ルイ16世の王妃マリー・アントワネットのお気に入りの作品だったからという逸話によります。1788年に出版された楽譜には、既にLa Reine(王妃)と記されていたそうです。